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昨日の木曜は日差しがあったのに外に出てみると、曇りの水曜より寒かった。
水曜には外出したので昨日はのんびり家にいようかと思ったが、家にいたのではきっと炬燵で昼寝で一日が終わってしまいそうで、お昼から近所のNさんが自宅で開いている『ひなたぼこ』にでかけた。 ここにはK工房と同じ、織り機に糸紡ぎにミシンにと手仕事の道具が揃っており、今回はK工房からもらってきた「さおり織り」の布でバッグを作ることにした。 家にいると部屋に積まれている布切れやら、羽織やら、染用の材料やらに眼がいってどれから始めたらいいのか決められず、結局本を読んでそのうち眠くなって一日が終わってしまう。 外に出てしまえば他のことはしたくてもできない。 倉敷の「蟲文庫」田中美穂さんの『わたしの小さな古本屋』と「古書 五っ葉文庫」の古沢和宏さんの『痕跡本のすすめ』を読了した。 田中美穂さんは1972年生まれ、古沢和宏さんは1979年生まれで、ほぼ団塊の世代を親に持つ子供たちと言うことになるのだろう。 どちらも岡山県倉敷市と愛知県犬山市という地方で古本屋を営んでいる点も似ている。 田中美穂さんは古本屋を始めるにあたって、店舗に置く本棚用の棚板を数十枚買ったと書いているが自分で本棚を作ったということなのだろう。 トンカさんに尋ねたところ、トンカさんもコーナンで板を買ってきて自分で作ったと言うことなのでそうなんだろう。 3mmから4mmの、ぶ厚い板で若い女性がよく作れたものである。 トンカ書店の壁面いっぱいに取り付けられたがっしりした棚を見まわしてウーンと唸ってしまった。 本を読み進めると、買い取りの値段付けでは、最初は悩んだようで 《買い取り価格に不満を持ったお客さんから「バカにするな! このド素人が」と怒られたことも一度や二度ではありません。》 と書いている。 やっぱりそうなんだなあ、と思う。 本を売るのは問題ないが、買い取りはむずかしいだろう。 いろんな苦労を重ねながらも二十年近く続けている「蟲文庫」。 《古本屋というのも、考えてみれば「主要な道すじ」からはてんで外れたような商売です。 とくにわたしのような、組合にも加入せず、仕入れのほとんどをお客さんからの買い入れに頼っている「そんなの商売じゃない、ゴッコだよ」と揶揄されるような店などなおさら。 でも、その先に未来はないとわかっていながら高速道路を走り続けているような世の中で、そこからあえて外れ、立ち止まる。そんな一瞬を、古本屋とか苔観察はつくり出すことができるのではないか。そして、この大海原のなかにある一冊の本や、そのなかの言葉が、いまここに生えている一本の苔のように、はるか未来にも受け継がれているのかもしれない。--そんな妄想にふけることができるというのが、「時間の止まったような」カツカツの古本屋であるわたしの拠りどころなのです。》 《この前、古本の世界に詳しいある方から「蟲文庫さんて、そんなにたくさん本があるわけじゃないし、品揃えもわりと普通だし、なのになんでこんなに長く続いているんでしょうね?」と、冗談めかして尋ねられました。それは決して嫌みではなく、素直な感想だと思うのですが、それはもしかしたら、めちゃくちゃの調子っぱずれでもいいから、蟲文庫は蟲文庫の歌をうたおうとしてきたからではないかとおもうのです。》 世代的にいえば私の娘でもいい田中美穂さんだが、しっかり自分の意志で生きているなあと感心する。 中之島の古本市で買ってきた富士正晴の『贋・海賊の歌』も読み始めたが止まりそうにない。 最初の「わたしの戦後」から結構辛辣な言葉がつづく。 彼が今生きていたらどんな言葉が聞けるか。 そう問いたい人は早く世を去るものである。
by k-turezure
| 2012-02-16 20:52
| 本
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