今年は我が家の紅唐子と四海波の椿が一輪ずつしか咲いてくれなかった。
紅唐子。
四海波。
昨年は小さな鉢で3つも4つも咲いて喜んだのだが、土が古くなったのだろうか。
まあしばらくはこのまま花を楽しませてもらおう。
並行して読んでいた文藝別冊『花森安治』と岡崎武志『古本道入門』中公新書ラクレが読了。
岡崎さんはいつもながら読者を引き付けるのがうまい。
私にとって特に目新しいことが書かれている訳ではないのだが、するする読ませていく。
第5章の「全国8大おすすめ古書町」に北陸の金沢が入っており、昨年訪れた
「南陽堂書店」が
《泉鏡花記念館近くにある「南陽堂書店も古い。薄暗い店内に、全体に黒っぽい本が、いったいいつからなのか、じっと旅人を待つように並ぶ。》と書かれている。
うまいこと書くものだなあと、ちょっと笑いがもれる。
第8章の「古本を売る、店主になる」の「団塊の世代の開業に期待する」では、
《私は、2010年代にネット兼業で店売りもする古本屋は増えていくと考えている。その根拠は、ごぞんじ、団塊の世代の大量リタイア問題にある。~ここで大切なのは、彼らが本や雑誌がいちばん売れた時代を支える「活字世代」だったこと。年輩の古書店主たちが「いまの学生はホンを読まない。昔はもっと」と嘆く対象はここを指している。~教養主義はまだデンと居座り、理論武装のため、とにかくみんなよく本を読んだ。》
そんなおじさん、おばさんたちはリタイア後「古本屋」という職業に憧れると分析している。
今2012年になったが、彼の指摘は当たっただろうか。
私に関して言えば大当たりである。
文藝別冊『花森安治』は「暮らしの手帖」の編集長としてかすかに知っていた花森安治の解説書としてとてもわかりやすい。
私自身はあまり「暮らしの手帖」自身に興味も関心も薄かったが、花森安治という人物とその時代についての読み物としては面白く読めた。