先日ブックオフに行っていろいろ買ってきた。
その中の出久根達郎の『面一本』講談社文庫を読み終わった。
この本はあとがきに「高知新聞」「秋田魁新報」「信濃毎日新聞」「中国新聞」「熊本日日新聞」「北國新聞」「神戸新聞」に1994年5月から1995年7月まで掲載されたと書かれてある。
その期間にちょうど1995年1月の阪神淡路大震災が起きているので、この小説も当時いろいろ話題に上ったかも知れない。
早稲田の小さな古本屋一家の物語である。
早稲田といえば私が知っているのは2006年の4月に出張の帰りに寄った「古書現世」と「ニコライ堂」である。
本の中に出てくる地名や電車に、10年前の記憶を呼び起されながら読み進めていると突然「向井」という名が出てきたので、えっと思っていると、あとがきの著者付記に
「文中に登場するサッカークラブ「シクス」は実在する。「シクス ファイト」の作詞者、向井佑之輔は筆者の友人で、著者同様、古書店を営んでいる。屋号を「古書・現世」といい、店は早稲田にある。」とある。
私が会いに行ったのは息子さんの透史さんの方で、その頃林先生の装丁で出た『早稲田古本屋日録(帳場から見た風景)』にサインをもらい少しお話をした。
もうあれから10年も経ってしまった。
向井透史さんも文章がうまい。
古本屋さんと兼業ではたいへんだろうが、出久根さんのように頑張ってもらいたいと思う。
今週の日曜(2月29日)は染めの教室で、今年の教室展が11月8日から北野坂ギャラリーですることに決まった。
皆の眼の色も少し輝く。
教室に飾られていた小さなお雛さま。